9.11-8.15 日本心中的劇情簡介 · · · · · ·
2001年1月、老美術批評家、針生一郎は、殘り少ない己の人生をかけ、最後の旅に出た。批評家として闘ってきた敗戦後日本の狀況を、痛みとともにもう一度たどり直すべく、かつての盟友や、若い思想家たちを訪ね歩く旅が続く。同じ頃、1973年にパレスチナで生まれた重信メイも旅を始めていた。メイの母親は、かつて世界を震撼させた日本赤軍のリーダー・重信房子。父はパレスチナ民族解放運動の闘士だったが、闘爭の渦中で暗殺された。彼女は生まれ育ったレバノンを離れ、母の國、日本にやって來た。そして、アラブと日本に引き裂かれた自己のアイデンティティを探す旅を開始したのだった。さらに他方、この現代に日本の「戦爭記録畫」を黙々と描き続ける男がいる。彼は何かに取り憑かれたように、敗戦後日本のあり方を、「戦爭と死」の絵を描きながら執拗に問い続ける。そして2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生した。9.11を契機にして、彼らの旅が加速していく。9月11日のニューヨークの青空と、1945年8月15日、日本無條件降伏の日に日本が體験した青空の、奇妙に似通った光景が、彼らを遠く隔たった時空の間に橫たわる闇に、奇妙な白晝夢とともに迷い込ませる。いつしか重信メイと針生一郎は、導かれるように朝鮮半島に足を踏み入れていた。そこには日本と位相をずらしながらも、根源的な魂のありよう、「東アジアの原型」が、密かに息づいていると言う。そして、その韓國の地に住み、苦難に満ちた人生を生き抜きながらも希望を絶やすことなく「東アジアの原型」を生命を賭けて求め続ける詩人・金芝河。いくつもの川の流れがやがて同じ海に流れ込むように、針生一郎と重信メイ、それぞれの旅が、ついに金芝河に行き著いた。彼らが時空を超えた懐かしい出會いを果たした時、彼らの発する闇からの光が、現代日本、そして世界の姿をゆっくりと浮かび上がらせてゆく。そこに見えてくるものは、希望だろうか、絶望だろうか……。